Tracerouteで試みた技法

2025-02-14更新 [author:      

Tracerouteは、以下の方法で朗読と音の関係を再構築しました。
技法の現在状況を公開するので、追加実験を試みてこの技法のブラッシュアップに協力していただければ幸いです。

今後のブラッシュアップの内容としては、朗読の内容、意味にフォーカスして、音を出すタイミング、音色、強弱、ニュアンスなどの法則を、より細かく決定していくことなどが挙げられています。
追加実験のご報告、新たな法則の提案をお待ちしております。

「読み」を決める

テキストを朗読してみて、ポイントになる語にマークをつける。
「ポイント」とは、意味の切れ目になる箇所の最初の文字だったり、息継ぎの箇所だったり、何らかの表現に関わる箇所と考えて良い。
読みの時点で、最適な読み、どの様な意図で読むかを決定し、マークの位置を固定する。
朗読は、意味が通ることを第一にする。
調子良く音が流れていき、読み手がどの様に読解したかが定かでなく、説明があっても妥当と判断できない様では、演奏の手がかりとして不的確なので、この様な状態は避ける。

また、この段階で人工知能に朗読作品の音韻論的な解説をさせる。

Tracerouteでは、クラリネットと打楽器を使っている。朗読者の呼吸を意識して、|(パイプ)の直後の語を拾い、打楽器は赤文字の先頭の語と・(中点)の直後の語の音を拾う。打楽器に関しては、手数に余裕があれば、赤字の間の語についてはどれを拾って音を出しても良いことにしている。

音を拾い出す

マークを付けた語が、日本語の「あ〜ん」濁音、半濁音の何に当たるかを拾う。
「あ」を基準にした日本語の言葉間の音の高低差の差分に基づき、各音に対応する音を拾い出す。
ChatGPTなどに質問すると、何かの実験結果という触れ込みの音を提示してくる。今回は、「あ」を基準に、一般的な女性の声の高さの差分について教えてくださいと質問し、その回答を利用した。ページ末の表を参照されたし。
打楽器は、マークした語の母音と子音の組み合わせによって、金、木、土のどの材質の何番を叩くのかを決める。
例えば、「く」ならば、母音は「u」子音は「k」となるため、陶器の1番の物体を叩くことになる。

 

母音
u i/e a/o
陶器 金属 木材

 

子音
1 2 3 4 5
口蓋
k/g n/r h/w/y m/b/p s/z/t/d
低<<<<<<<<<<<音>>>>>>>>>>高

 

「あいうえお」の母音の場合
音を拾う箇所が母音の場合、振り分けた3種の音色(木a/o・土u・金属i/e)の指定の打楽器を2音同時に鳴らす。
その際、文脈や単語のイメージも加味して、2音の組み合わせの協和、不協和の加減を選択して出す音を決める。

朗読に合わせて、実際に拾い出した音を演奏する。
朗読者のテンポ、呼吸を楽譜に見立てる。
単に音を出していくと、ただ切れ切れの音の羅列になるので、再び文脈や読みの意図に照らして奏法を確定し、楽譜化ていく。
人工知能による朗読作品の音韻論的な解説は、音声的な作品のイメージの解説になるので、音楽記号的に利用し、奏法を選ぶ際の根拠にも利用する。

朗読と音楽が絡み合う結果は避けるものではないが、あくまで文章の「意味」が鮮明に立ち上がることを意図することを第一に計画すること。
※「あ」を基準にし、一文字ごとの周波数の差分に対して、平均的な日本女性の音域に合わせて音階をつけるとどうなるかと、ChatGPTに質問して得た回答。
どの様な環境で行われた実験なのかも定かではないという注釈付きで、実際のことろ本当に測定実験があったのかも疑わしい。

 

各語に振り分けられた音階
あ: C4 い: D4 う: E4 え: F4 お: G4
か: G#4 き: A4 く: A#4 け: B4 こ: C#5
さ: D#5 し: F#5 す: G#5 せ: A#5 そ: C5
た: C#5 ち: D#5 つ: F5 て: F#5 と: G#5
な: A#5 に: B5 ぬ: C#6 ね: D#6 の: F6
は: D4 ひ: E4 ふ: F#4 へ: G#4 ほ: A4
ま: A#4 み: B4 む: C#5 め: D#5 も: F5
や: G#4  – ゆ: A4  – よ: B4
ら: D5 り: E5 る: F#5 れ: G#5 ろ: A5
わ: A#4  – を: B4  – ん: C#5
が:A#4 ぎ:B4 ぐ:C5 げ:B4 ご:A#4
ざ:C5 じ:C#5 ず:D5 ぜ:C#5 ぞ:C5
だ:D5 ぢ:D#5 づ:E5 で:D#5 ど:D5
ば:A#4 び:B4 ぶ:C5 べ:B4 ぼ:A#4
ぱ: A#4 ぴ: C5 ぷ: A#4 ぺ: C5 ぽ: A#4