戯曲公開『Generalprobe』

2022-12-17更新      

2017年初演、2021年にトリオ・エスペルトとのコラボレーションで再演した『Generalprobe』の戯曲を公開します。
generalprobe_ann01.pdf PDFファイル(1.3MB)
柴田剛による映像版も引き続き配信しております。→映像版(Vimeo)

大柴拓による作曲の前に、仲と大柴がミーティングする際の注釈付きバージョンとなります。
以下は、公演に際して配布された文章です。

Generalprobe 作曲に寄せて  大柴拓(作曲・ギター)

抽象的な話を抽象的なやりとりで作っていくのがきっとこの作品の愉しみだったのかもしれませんが、脚本・演出の仲悟志さんには今回これでもかと言うほど具体的に、作品をそれはもう端から端まで解説していただきました。(自分で自分の作品解説なんて、訊かれる側なら嫌だな…)
というのも、音楽は歌詞でもない限りは出力そのものが「ザ・抽象的情報」なので、逆に作曲のヒントとしてはできるだけ具体的なものが欲しかったのです。各登場人物がそれぞれ誰と・いつ・どんな会話をするのか、またその会話はどういう方向に展開するのか、などを徹底的に分解・分析します。これらの作業は実際の作曲をするよりもずっと長い時間をかけて行います。仮定でもなんでもいいから自分のなかで一度徹底的に具象化し、そしてそれを改めて音楽として抽象化していく、という流れです。
こうして、私がどれだけ特定の何かのイメージで作曲したとしてもそれが音を通じて聴いた人に漏れ伝わってしまうことはないし、むしろここまで突き詰めてようやく、音楽はシーンに密接な(実は芯のしっかりした)抽象的作品として成り立つのではないかと考えています。

私は今回のために東京からやってきた身ですが、この様な特異な機会を下さった劇団血パンダの皆さま、また縁を作ってくれたトリオ・エスペルトのメンバー二人(は富山県在住)に感謝します。