基礎と解像度

2022-07-18更新 [author:      

最近、基礎とか解像度とかいう言葉が自分の中で流行っている。

クラリネット奏者の西田さんと、近くあるコンサートの打ち合わせをしていて、基礎についてのハナシになった。
実は西田さん、数年前から剣道を始めており、現在初段。
高齢の剣道の先生が、技術論でもなんでもなく「10回のうち何回できたか、できた回数を増やしていくべく、やるだけ」という風に言うのに対して、50代、下手をすると60代の先生たちは、あれこれと技術論を教えてくれるとのこと。
「できた」という回数を増やしていくための技術論だろうということはあるにしても、結局は精度を上げるための回数というのは必要になっていくだろう。
できた、できないのジャッジを自分の中でどんな風に培っていくかということもある。やはり基礎だし、正しい基礎を知ってどうやって体に落とし込み、その基礎力を使える様になるかだ。

なんでそんな話しになったかといえば、次に脚本と演出を担当する西田さんのコンサートは、子どもたちに向けてのものなんだけれど、子どもたちにどんな経験をしてもらえばいいのかということにつながっていく。


トリオ・ジーラソーレ、音楽のおもちゃ箱 vol.3は、射水市大島絵本館シアタールームにて、14:00開演。西田宏美さんのクラリネット、高田愛子さんのバイオリン。佐々木ゆき子さんのピアノによるコンサートです。血パンダからは、語りで長澤泰子。仲が脚本と演出を担当します。

子どもたちの多くは、実はすでに楽器の演奏を習っていたりする。引率の父兄の皆さんも、子供に楽器を習わせるという程度の何かを音楽に対して持っているわけだ。
そんな客席に対して、ただ見た、聞いただけのコンサートは世の中にはいくらでもあろうから、気鋭の奏者三人が子ども向けにやる以上は、子どもたちと、引率の父兄の皆さんが、音楽を聴くにあたっての解像度を上げる様な工夫があればどうだろうということを話した。

どうしてそんな音楽になるのか。
楽譜通りに演奏しても、実は違った風に聴かせることもできる。そういったことを伝えるちょっとした寄り道が、楽器の演奏を習う子どもたちの演奏感、音楽の楽しさの認識に響けば、子ども向けの任務は果たせるのではないだろうか。

そんな話しをしていると、西田さんと、先日再開したパイセンのラジオのことに話題が移った。
このYoutubeの映像が、実際に一人芝居だということについて、そして、やすこ先輩がここで使っているテクニックについてだ。
実を言うと、先日再開したパイセンのラジオは一人芝居なのでヘッドフォンからは音聞こえていない。ヘッドフォンから何も聞こえていないことを改めて認識した西田さんと、改めて何を見て何を見て取るかの解像度、楽譜と演奏の話になった。

『鍛錬?について考える』その1で、収録をしようというのにヘッドフォンを忘れてきてしまい、ヘッドフォン無しでやっているので、2を見てから1を見ると「聞こえている」という演技が伝わりやすいかもしれない。

日常は、見えることと、見えたからといって、そこから何も感じ取れないことに満ちている。
せめて、感じられること、考えられることを増やしていきたいものだと考えている。